猗窩座の刺青(入れ墨、いれずみ)の意味は?
猗窩座(あかざ)の体の模様は刺青
もとは罪人の証
猗窩座は、人間の時の名を狛治(はくじ)といいます。
もともと裕福ではない暮らしだったのであろうと思いますが、
父親が病気で働けない状態であり父子で貧しい暮らしを強いられていたようです。
狛治はどんどん痩せて、悪くなっていく父に何とか元気になってもらうと薬や食べ物を手に入れたいと考えますが、
お金がなく、まっとうな手段でそれらを手に入れることができません。
そのため盗みやスリなどの犯罪行為を繰り返すことになります。
父のため、というけなげな理由、そして切羽詰まった事情があっても罪は罪です。
狛治の生きた時代は江戸時代。
この時代は盗みや詐欺、横領などの罪を犯した人間には入れ墨(刺青)刑が施されていました。
盗みを繰り返した狛治は両腕に3本ずつ、罪人の証である入れ墨(刺青)を入れられています。
鬼になって全身に
狛治の父親は愛する息子が自分のために罪を重ねていくことに耐えられなくなり自ら命を立ちます。
狛治は荒れに荒れ、江戸から別の町へ。
そこで恩人と出会い、大切な女性に出会って、真っ当な人生を生き始めようとしていたのですが…。
その二人を失うという残酷な運命に直面し、怒りから多くの人の命を奪います。
絶望と無気力さに支配され、鬼になることを受け入れた狛治はもはや「狛治」ではなく、鬼の「猗窩座」。
鬼になった猗窩座の全身には、狛治の腕に刻み込まれていた、罪人の証である入れ墨(刺青)のような模様が全身に浮き出ています。
まるで、猗窩座の凶暴な部分、悪の部分のみが増強されているかのようです。
芸州(広島)生まれだったら…
狛治は父と江戸で暮らしていたため、腕に3本線の入れ墨ですが、実は場所やデザインは、地域によって様々。
施術箇所やデザインを変えることで、その罪人がどこで罪を犯したのかを判別できるようになっています。
中には顔に入れ墨を入れる地域もあったようで、その点、着物を着れば隠れる部分に入れ墨を入れる江戸などまだましだった、といえるでしょう。
最悪なのは芸州です。
芸州は今の広島県にあたります。ここでは初犯の場合、額に横一文字の入れ墨が入れられます。
二回目になると縦線、というかカタカナの「ノ」の字のような線がそこに加えられます。
そしてなんと三回目には、「犬」という文字を額に完成させられてしまうのです…。
ホント最悪…。
仮に狛治が芸州生まれだったら、額に「犬」の入れ墨が…。おまけに、鬼になって全身に回ってるとすれば猗窩座の模様は…。
ちょっと考えたくありません。
「犬」が嫌で、犯罪を控えていた可能性も考えられますが、病気の父のことを想う優しい狛治のこと。
たとえ芸州であっても父のために罪を犯すことは厭わなかったのではないでしょうか。
ちなみに、
「猗窩座」も「狛治」も犬由来の名前です。
入れ墨(刺青)まで犬にならなくて良かった…。
まとめ
・猗窩座の体の模様は元は入れ墨(刺青)で罪人の証
・人間の時に両腕にあったものが、鬼になった時に全身に現れた
・芸州生まれだったら、人間の時は額に「犬」、鬼になってからは全身「犬」だった可能性が…
参考:https://kimetsu.com/
https://kimetsu.com/comics/special/setsubun2020.html
国立国会図書館デジタルコレクション 司法資料第166号徳川禁令考後聚(コマ番号265)
https://y-ta.net/tatoo-punishment/
https://kotobank.jp/word/%E5%85%A5%E5%A2%A8%E5%88%91-32535
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AC%BC%E6%BB%85%E3%81%AE%E5%88%83
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E8%8A%B8%E5%9B%BD
コメント