『鬼滅の刃』のラスボス「きぶつじむざん」の早くて確実に漢字変換できる方法を紹介。
無惨なの?無残なの?
それぞれの漢字の意味から、「むざん」の漢字に選ばれた理由も解説!
むざん様の漢字変換で迷う…
きぶつじむざんの漢字の変換方法
「鬼畜(キチク)」+「舞踏(ブトウ)」+「辻斬り(ツジギリ)」+「無能(ムノウ)」+「惨敗(ザンパイ)」
と打つのが早くて確実。
鬼畜、惨敗などと打って無惨を罵ることもできます(笑)
「鬼が舞う辻(おにがまうつじ)」+「無惨(ムザン)」でもOK。
「無残」ではないので注意。
しんにょうは点1つなんだけど…
鬼舞辻の「辻」は本来1つ点のしんにょうですが、表外漢字の都合上、印刷物や電子機器で出るのは、1つ点のしんにょうではなく2つ点の形になります。
1つ点のしんにょうも2つ点のしんにょうも意味は同じです。
表外漢字とは常用漢字表外字のこと。常用漢字表に含まれていない漢字で表外字ともいいます。学校教育で習う漢字はこの常用漢字表にそって定められています。
しんにょうに関していえば簡略化されたり簡略をやめたりでややこしいのですが、2000年の国語審議会から現行の印刷標準字体は2つ点のしんにょうを用いることが決められています。
ただし、新聞業界の意向もあって、現に印刷字体として用いている場合は1つ点のしんにょうも許容されています。人名用漢字とかも。(ややこしい…)
鬼舞辻無惨の場合は人名なので1つ点にしているのかもしれませんが、如何せん、字体の規格が決まっているので現在はほぼ出てきません。
参考:http://www.asahi.com/special/kotoba/archive2015/moji/2010100100017.html
https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kakuki/22/tosin03/15.html
https://mainichi-kotoba.jp/blog-20171223
むざんの漢字の意味は?
では、それぞれの漢字の読みと意味を見ていきましょう。2つ目の参考URLでは書き順も見ることができます。
鬼
音読み…「キ」 訓読み…「おに」
意味…おに、かいぶつ、ばけもの、もののけ、人間わざとは思われない、すぐれた
参考:https://www.kanjipedia.jp/kanji/0001229700
http://kakijun.com/c/9b3c.html
舞
音読み…「ブ」「ム」 訓読み…「まう」「まい」「もてあそぶ」
意味…まう、おどる、はげます、もてあそぶ
参考:https://www.kanjipedia.jp/kanji/0006082200
http://kakijun.com/c/821e.html
辻
訓読み…「つじ」
意味…十字路、交差点、道端
参考:https://www.kanjipedia.jp/kanji/0004911500
http://kakijun.com/c/8fbb.html
無
音読み…「ム」「ブ」 訓読み…「ない」
意味…ない、存在しない
参考:https://www.kanjipedia.jp/kanji/0006635800
http://kakijun.com/c/7121.html
惨
音読み…「サン」「ザン」 訓読み…「みじめ」「いたむ」「いたましい」「むごい」
意味…みじめ、いたむ、いたましい、むごい
参考:https://www.kanjipedia.jp/kanji/0002654100
http://kakijun.com/c/60e8.html
鬼が舞う辻
辻というのは今で言う十字路、交差点のこと。
昼とも夜とも言えぬ夕方のことを黄昏時とか逢魔時といい、この時間帯に魑魅魍魎が実体化して災いを為すと考えらていました。
逢魔時に妖怪や魔物がよく出ると言われていたのが辻。異界との端境と考えられていたようです。
単純に考えても、人攫いにしろ妖物の類にしろ、一本道よりも辻の方が悪いことを企んでいるモノにとって姿を隠しやすかったりしますよね。
「鬼舞辻」をそのまま読むと「鬼が舞う辻」。
吾峠先生、よく考えられてるな〜と思います。
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A6%96%E6%80%AA
なぜ「無残」ではなく「無惨」?
次に名前の方を見てみましょう。
昨今の小学生の書き取りテストで「ムザン」を出したら、難しい方の「無惨」を書く子が続出、という話を聞きます。
鬼滅恐るべし…。
小学生の場合「残」の方を習うので、習得すべき漢字をちゃんと書くという意味では「無残」が正解なのでしょうけど、「無惨」でも間違いではありません。「惨」は中高で習います。
一般的にも「無残」が使用されることが多いのですが、
鬼舞辻無惨の名前は「惨」の方。
ここで「残」と「惨」を比べてみましょう。
「残」のへんは「歹」。
「かばねへん」「がつへん」などと言い、肉を切り取った骨を表しています。
「殘」が旧字体なのでつくりは「戔(セン)」。
「戈(ホコ)」が2つ重ねてあり「少ない」「わずか」の意味があります。
このため「残(殘)」には
死体から戈で薄く肉を剥ぎ取ることで「のこり」、肉を剥ぎ取る様から「ひどい」
https://ja.wiktionary.org/wiki/%E6%AE%8B
といった意味があります。
「残虐」「残酷」「残骸」といったむごいイメージの言葉が多いのはこのためかと。
ただ、あまり死と隣り合わせであることを感じない現在において、「残業」「残念」「残務」「残留」といった、残酷な意味を取り払った「のこる」の意味も強いです。
「惨」のへんは「りっしんべん」。
心臓を表し、物理的な心臓や精神的な心を表します。
「参」には「まいる」「まじわる」「くわわる」「相手に負ける」などの意味があります。
へんとつくりをそのまま読めば「心が参る」。
不思議なことにつくりの「参」だと「参詣」「参加」など印象のいい言葉が多い気がしますが、「惨劇」「惨禍」「凄惨」「陰惨」など、りっしんべんをつけた途端に残酷な言葉ばかりに。
「むざん」の名前を「無残」ではなく「無惨」としたのは、「惨」の字面の方がより残酷なイメージがあるためかと思われます。「残」だけだと単なる「のこる」の意味も感じられますし。
また「惨」には「みじめ」の意味も。
人に与えない者は
いずれ人から何も貰えなくなる
欲しがるばかりの奴は
結局 何も持ってないのと同じ
自分では何も生み出せないから
独りで死ぬのは惨めだな
出典:鬼滅の刃 17巻146話 吾峠呼世晴 株式会社集英社 2019年10月9日第1刷
愈史郎が崩れゆく獪岳に放った言葉ですが、そっくりそのまま無惨にかけてあげたいです。
ちなみに「ムザン」は「無残」「無惨」の他に「無慚」「無慙」とも書きます。もともとは仏教用語で戒律を「破りながら恥じないこと」を意味します。
涅槃経には
慚はみづから罪を作らず、愧は他を教へてなさしめず。
慚は内にみづから羞恥す、愧は発露して人に向かふ。
慚は人に羞づ、愧は天に羞づ。これを慚愧と名づく。
無慚愧は名づけて人とせず、名づけて畜生とす。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%85%9A
という教えがあります。
「慚」は自らの罪を恥じること、罪を犯さないこと。
「愧」は罪を告白して恥じること、罪を他人に犯させないこと。
「無慚愧(ムザンギ・ムザンキ)」はそれらの善がないという意味です。
「無慚愧は名づけて人とせず、名づけて畜生とす。」とはまさに鬼舞辻無惨のための言葉かと。
名前一つとってもこれほど語る要素があるなんて…。言葉へこだわりっぷりが凄いです。
まとめ
・「鬼畜(キチク)」+「舞踏(ブトウ)」+「辻斬り(ツジギリ)」+「無能(ムノウ)」+「惨敗(ザンパイ)」で漢字変換可能
・「鬼が舞う辻(おにがまうつじ)」+「無惨(ムザン)」でも変換可能
・むざんの漢字は「無惨」であって「無残」ではない
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