人間を超えた超生物である鬼滅の刃の鬼たち。
彼らが苦手としている植物があります。
藤の花です。
強力な力を持つ鬼を特定の場所に閉じ込めるなど、
冷静に考えればとんでもない植物ですが、実際のところ鬼は藤の花が苦手なのでしょうか?
歴史や言い伝え、花言葉などから有力な根拠を紐解いてみましょう。
鬼滅の刃の鬼は「藤の花」が嫌い
藤の花を鬼が嫌うと明言されたのは炭治郎の最終選別の時(1巻6話)。
選別の場所である藤襲山の麓から中腹にかけては、鬼の嫌う藤の花が一年中咲いており、
その山にいた大型の鬼は「藤の花の牢獄」と語っています。
鬼が閉じ込められていた年月は明治、大正と2度も年号が変わるほど。
狂い咲いた藤の花に囲まれて逃げられないのです。
鬼滅の刃の鬼にとって、相当苦手な代物であることが伺えます。
藤の花の花言葉や性質は?
藤の花の花言葉には優しさ・歓迎・決して離れない・恋に酔うなどがあります。
花言葉の由来は人々を温かく迎える女性のような姿を現しているためとも言われています。
春に咲く花で、色は淡紫、紫、ピンク、白。
優しさや歓迎と言った温かい感情は凶暴な鬼とは正反対に位置するものですね。
また、強い日当たりを好むマメ科の植物で、花は天ぷらにも適しているようです。
花は天ぷらなどにすることができる。
ただし他のマメ科植物同様にレクチンを中心とした配糖体の毒性が含まれており、
多量に摂取すると吐き気、嘔吐、眩暈、下痢、胃痛などを起こすおそれもあるためあまり食用には適していない。
加熱されていない種子は中毒の可能性がより高くなる。
その他に、樹皮や莢にはウイスタリン(wistarin)、
種子には有毒性アルカロイドの一種であるシチシン(cytisine)が存在する
という報告も上がっている。
wikipedia
天ぷらは藤の花の家紋の家で伊之助が甚く気に入ってましたが、藤の花の天ぷらもあったのかもしれませんね。
花の美しさと同時に、加熱されていない種子や樹皮など毒性も兼ね備えています。
実際の鬼は、藤の花が嫌いなのか?
鬼が嫌いなものとしては、ヒイラギと焼いたイワシの頭が知られています。
ヒイラギの尖った葉が鬼の目を刺し、イワシの頭を焼いた臭気と煙で鬼が近寄らなくなると言われています。
また、桃太郎の名前になった桃も古くから邪気払いの力があると考えられています。
桃はイザナギが黄泉の国から地上に逃げ帰る時に、追いかけてきた鬼女を追い払うために使ったアイテムの一つ。
ただ、藤の花が嫌いというのはあまり耳にしません。
吾峠先生の創作だと思われますが…。
結局「鬼滅の刃の鬼×藤の花」は創作?
ただ、やみくもに創作されているわけではなさそうです。
マメ科の植物
藤はマメ科の植物ということで、マメと言えば節分(節分の豆は大豆ですが)。
節分と言えば豆まきをして「鬼は外、福は内」ということで、鬼つながり。
好日性植物
強い日当たりを好む植物なので、日輪刀の材料である
猩々緋砂鉄、猩々緋鉱石と同様、
日の光を吸収していると設定しても無理はありません。
毒性がある
花は美しく食用にもなりますが、一方で毒性もみられ、胡蝶しのぶが藤の花の毒を使うのも科学的根拠がもとになっていると言えます。
藤の花の毒性に日の光が作用していると設定できますね。
余談ですが藤飛蝶という家紋もあります。こちらは胡蝶しのぶつながり。
刀鍛冶の神様は藤が好き
「藤」のつく苗字の代表格と言えば中臣鎌足が賜った「藤原姓」。
生命力の強さや支柱に蔓を巻きつけ見事な花を咲かせる様を藤原氏の栄華に重ね合わせていて、
現在でも日本で多い姓の一つになっています。
この「藤」のつく苗字なのですが、広島あたりには「藤鬼姓」が見られます。
名前の由来は不明ですが興味深いところです。
というのも、
出雲国(いまの島根県)を筆頭に製鉄文化のある中国地方には鬼の伝承も多いです。
『もののけ姫』のタタラ場のモデルにもなっています。
この中国地方を中心に
鍛冶屋に信仰された神様が金屋子神(かなやごかみ)です。
製鉄の神様ですね。
金屋子神には犬に追いかけられた時にみかんの木に登ってあるいは藤の蔓を掴んで助かったという伝説があり、
どうやら藤の花がお好きのようです。
藤の花を鬼が嫌うという伝説は探せなかったのですが、
製鉄の神様(要は刀鍛冶の神様)が藤が好き
というのは、『鬼滅の刃』の鬼が藤の花を嫌いという設定に逆説的に使えるなと思います。
参考
hitachi-metals
http://tetsunomichi.gr.jp/fascinating-tatara/only-surviving-tatara/
wikipedia
まとめ
・伝承に直接「鬼が藤の花を嫌い」というものはあまり見られない
・花言葉には温かい感情が込められており鬼の凶暴さとは真逆の意味がある
・藤の花の性質は『鬼滅の刃』の鬼の嫌いな日の光とつなげやすい
・製鉄の神である金屋子神には藤の花が好きという伝承がある
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