日本で絶大な人気を誇っている『鬼滅の刃』。海外でも名が知れているようで、アマゾンでも英訳版が取り扱われています。
ただ、日本の「鬼」の概念が上手く表現されているのでしょうか?
ここでは『鬼滅の刃』の英語版のタイトルと意味についてまとめています。
『鬼滅の刃』は海外でも人気?
CBRという1995年からアニメなどの情報を英語で発信しているサイトでも、2019年のアニメベスト10を紹介する記事で、鬼滅の刃が堂々の1位です。
また、youtubeなどで海外のアニメファンが鬼滅アニメを見たリアクション動画も数多くみられるようになっています。
鬼滅人気は国境を超え、海を越え広がっていますね。
英語版タイトルだと『Demon Slayer』
海外版の代表格が英訳版かと思いますが、英語版のタイトルは『Demon Slayer』。
直訳すると…
『Demon Slayer』を直訳すると「鬼を殺す人」になります。
鬼滅の中で、鬼殺隊は鬼狩りと呼ばれているので誤訳ではないですが、鬼滅の刃とは当たらずといえども遠からずといったところです。
単語ごとに語源と意味を見てみる
「demon」はギリシア語の「daimon」が語源で、「人間の運命を割り当てる天才や神」とジーニアス英和大辞典に記載されています。
ギリシャ神話における、善と悪の両面性が見られる精霊のようなものです。
現代の英語の「demon」は「悪魔や悪霊、鬼」といった意味で使われていますので、天使の対を為すものといえます。
日本の鬼はそもそも天使を前提にしていないですし、日本に古くから伝わる伝説上の生き物「妖怪」の一つであり、霊や神としての側面もあります。
「demon」の現代語の意味を見ると、人間に害するだけの悪いものと言えますが、日本の鬼は人間を助けたりした伝説も残っており悪い鬼ばかりではありません。
鬼滅の鬼たちも大多数が人間を殺して食う悪い鬼ですが、珠世など人間を助ける代わりに血をもらうという共存関係を築いている、いい鬼もいます。
このような面は「demon」という言葉からは見えてこないです。
どちらかと言うと、古代ギリシャの「daimon」の方が善と悪の両面性があるので日本語の「鬼」に近いです。(ギリシャ神話と日本神話は似たところがありますから)
次に、「slayer」を見ていきましょう。
この単語は「slay」という動詞に「〜する人」という「-er」がついた単語です。
「slay」という単語は、古代英語が語源であり「slean」という「突き刺す、殺害する」という意味の言葉。
『鬼滅の刃』の「滅の刃」の部分を鬼狩りの「狩り」とみれば変な訳ではありませんが、こちらもぴったりとは言えませんね。
まとめ
・鬼滅の刃の英語版タイトルは『Demon Slayer』
・『Demon Slayer』を直訳すると「鬼を殺す人」
・それぞれの単語の意味や語源をみていくと、誤訳とまでは行かないがぴったりとも言えない
鬼と言う概念も、日本人の宗教観の一つですが、なかなかそれらをを英語で説明するのは難しいものがありますね。
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