『鬼滅の刃』のタイトルにも使用されている「滅」。
案外書き順や読み方、成り立ちを知らなかったりします。
ここでは漢字「滅」についてみていきます。
「滅」の奥の深さに「へぇ〜」となりますよ。
書き順と読み方
滅
音読み:メツ 表外読み:ベツ
訓読み:ほろびる、ほろぼす
意味:
ほろびる、ほろぼす 「滅亡」「絶滅」
きえる、火や明かりが消える 「点滅」「明滅」
死ぬ、釈尊や高僧の死 「寂滅」「入滅」
参考:https://www.kanjipedia.jp/kanji/0006701500
特別、目新しい読み方はありません。意味が意味なので仏語として使われていることも多い漢字です。
書き順は「氵(さんずい)」の後、一番上の横棒「ー」ではなく「ノ」の方が先。
これ、うっかり「ー」から書いてしまいそうですね。
書き順の詳しくわかるサイトはこちら↓
書き順:https://kakijun.jp/page/1385200.html
成り立ちは
「滅」は会意形成文字。
それぞれの部品に分解してみると…
「戈」→ほこ(両刃の穂先と長い柄から成る武器)、いくさ
「戌」→「一」+「戈」…収穫の際「戈」で狩ったものを一つにまとめる
「烕」→「火」+「戌」…「火」を「刃物で切る」→火種を切って消す
「滅」→「水」+「烕」…「水」で「けす」
参考:https://ja.wiktionary.org/wiki/%E6%BB%85
https://ja.wiktionary.org/wiki/%E6%88%8C
https://ja.wiktionary.org/wiki/%E6%88%88
「滅」に刃物の意味が隠れてる!
しかも武器としての刃物の意味も。
「火」を鬼に例えれば、「刃物で切る」なんてまさに日輪刀!
頸を斬られた鬼が塵となって跡形もなく消えてしまう様も想起されますね。
ちなみにタイトル候補の中に『鬼殺の刃』もあったので
「殺」もみてみると…
「殳(るまた、ほこづくり)」→「又(手)」+「几(羽を立てた様)」
・手で立てること
・刃のない棒状の戈、あるいは棒をもって人を殴り殺すこと
「殺」→「朮(もちあわ)」を「乂(刃物で刈り取る)」「殳(行為)」
参考:https://ja.wiktionary.org/wiki/%E6%AE%BA
https://ja.wiktionary.org/wiki/%E6%AE%B3
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AE%B3%E9%83%A8
これにも刃物の意味が隠れてます。
それでも『鬼殺の刃』ではなく『鬼滅の刃』となったのは
刺激の強い「殺」より、広く使いやすい「滅」という言葉にしました。
出典:鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録 p201 吾峠呼世晴 株式会社集英社
と言った理由から。
確かに「滅」は仏教系の言葉も多いですし、「消える」と言う要素もあります。
「殺」だと意味が狭まるというか。
鬼を斬った後の情景に「消える」要素が想像しづらいかもしれませんね。
日輪刀の刃とリンクしやすいのは「滅」だったんだろうなと。
まとめ
・「滅」の読み方は「メツ」「ベツ」「ほろびる」「ほろぼす」
・「滅」には「火を刃物で切って消す」ような意味が含まれており日輪刀
に通ずるものがある
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