『鬼滅の刃』の言葉の深みは周知の如く。聞き慣れない四字熟語もたくさん使われていますね。
ここでは各巻ごとに出てきた四字熟語を意味と一緒に一覧にしています。
言葉の意味がわかると尚一層、鬼滅の世界観に浸れますよ。
四字熟語がやたらと多い
冨岡義勇の「生殺与奪の権」や伊之助の口癖「猪突猛進」をはじめ、
鬼滅では多くの四字熟語がでてきます。
四字熟語が出てくるのは本編のセリフだけではありません。
3巻の巻末にある4コマ漫画では「四角四面」が、
17巻147話前の空きページで村田さんの解説文にも
「天涯孤独」という四字熟語がでてくるのです。
この大量の四字熟語、一体どれくらいあるのでしょうか?
一覧にしてみてみましょう。
鬼滅四字熟語の全一覧
※初出のもののみ掲載。
複数回でてきたものは
「自由自在」「有象無象」「天涯孤独」「猪突猛進」「縦横無尽」「一生懸命」「生生流転」「正々堂々」「自暴自棄」「四方八方」「罵詈雑言」
※吾峠先生の造語は含みません。
1巻
生殺与奪の権(せいさつよだつのけん)
意味:他人に対して「生かす」か「殺す」かを選択できる権利のこと。
笑止千万(しょうしせんばん)
意味:非常に滑稽なさま。
2巻
問答無用(もんどうむよう)
意味:あれこれと議論しても意味のないこと。
3巻
武運長久(ぶうんちょうきゅう)
意味:戦場での幸運が久しく続くこと。武人としての命運が続くこと。
九分九厘(くぶくりん)
意味:ほとんど完全に近いこと。そうなることがほぼ確実であるさま。
猪突猛進(ちょとつもうしん)
意味:他のことがどうなるか考えることもなく、目標だけを見て全力でまっすぐ突き進むこと。
縦横無尽(じゅうおうむじん)
意味:思うまま好きなように物事を行う様子。または、満足するまで自由に行動すること。
四角四面(しかくしめん)
意味:真四角のこと。または、物事を几帳面に考える真面目な人や、真面目すぎて融通が利かず面白みがない人のこと。
融通無碍(ゆうずうむげ)
意味:何かにこだわることがなく、思考や行動が自由であること。
4巻
一生懸命(いっしょうけんめい)
意味:全力で物事に取り組む様子。命がけで物事に取り組む様子。
5巻
生生流転(せいせいるてん)
意味:世の中の全ての物は、次々と生まれては時間の経過とともにいつまでも変化し続けていくという意味。
6巻
四六時中(しろくじちゅう)
意味:一日中・いつも・終日。
冷酷無情(れいこくむじょう)
意味:思いやりも同情心もないこと。
7巻
四方八方(しほうはっぽう)
意味:ありとあらゆる方向のこと。
8巻
有象無象(うぞうむぞう)
意味:元は仏教語で有形、無形全てのもののことで、この世に存在する全てのもののこと。または、数が多くつまらない人や物のことを卑しめる言葉。
9巻
全身全霊(ぜんしんぜんれい)
意味:体と心の全て。または、体力と精神力の全て。
二束三文(にそくさんもん)
意味:売値がとても安いこと。ほとんど価値がないこと。
10巻
一目瞭然(いちもくりょうぜん)
意味:ひと目見ただけではっきりとわかるさま。
11巻
千載一遇(せんざいいちぐう)
意味:千年に一度あるかないかの絶好の機会のこと。
迷惑千万(めいわくせんばん)
意味:この上なく迷惑であること。
罵詈雑言(ばりぞうごん)
意味:きたない言葉で、悪口を並べ立ててののしること。また、その言葉。
禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)→禍福糾纆(かふくきゅうぼく)
意味:良い出来事と悪い出来事は、編み込んだ縄のように表裏一体であること
12巻
二人三脚(ににんさんきゃく)
意味:二人が心を合わせ、協力して事を遂行すること。または、二人が肩を組み、内側の足首同士をひもなどで結び脚を三本に見立てて、足並みを揃えて競う運動競技のこと。
13巻
不眠不休(ふみんふきゅう)
意味:物事に取り組み続けること。睡眠をとることもなく、休憩もすることなく物事を行い続けるということから。
喜怒哀楽(きどあいらく)
意味:「喜び」「怒り」「悲しみ」「楽しみ」といった、人間がもっているいろいろな感情のこと。
自業自得(じごうじとく)
意味:自分が行ったことが自分に返ってくること。悪い意味で使われることが多い。自分の行動の善悪の業によって、苦楽の業を受けるという意味の仏教の因果の法則を表す言葉。
14巻
極悪非道(ごくあくひどう)
意味:人の道から外れた、これ以上ないほどの悪のこと。
過大評価(かだいひょうか)
意味:実力や価値を実際よりも大きく評価すること。
杓子定規(しゃくしじょうぎ)
意味:杓子の柄を無理やり定規のかわりにするということから、一つの基準で全てを決めようとして応用や融通がきかなくなるという意味。
自由自在(じゆうじざい)
意味:思ったことが思った通りに出来ること。または、思う存分やりたいことをやること。
15巻
天涯孤独(てんがいこどく)
意味:血縁者や婚姻関係にある人がいないこと。または、故郷を出て一人で暮らすこと。
如是我聞(にょぜがもん)
意味:仏教の経典の冒頭に出てくることば。「このように私は仏から聞いた」という意。転じて、人から聞いたことをそのまま信じて疑わないこと。
心頭滅却すれば火もまた涼し(しんとうめっきゃくすればひもまたすずし)→心頭滅却(しんとうめっきゃく)
意味:気を散らすような考えを消し去ること。または、集中してことにあたれば、苦しさを感じないということ。
報恩謝徳(ほうおんしゃとく)
意味:受けた恩義や徳に対して感謝の気持ちを持ち、見合ったお返しをすること。
16巻
自暴自棄(じぼうじき)
意味:やけになって、もうどうなってもいいと将来の希望を捨てたり、投げやりな行動をすること。
17巻
唯一無二(ゆいいつむに)
意味:世の中に一つだけで他に並ぶものがないもののこと。
不協和音(ふきょうわおん)
意味:意見が揃わなかったりして、釣り合いが取れない状態のこと。元は調和が取れず、不安定で耳障りな和音のこと。
18巻
正々堂々(せいせいどうどう)
意味:非難する点のない素晴らしい手段や態度のこと。または、軍隊の士気が高く、陣形が整っている様子。
荒唐無稽(こうとうむけい)
意味:根拠も何もなく非現実的なこと。
疲労困憊(ひろうこんぱい)
意味:疲れ果てること。
冠婚葬祭(かんこんそうさい)
意味:祝いと弔いの儀式の総称。
19巻
百世不磨(ひゃくせいふま)
意味:いつまでも消えることなく存在し続けること。
20巻
匪石之心(ひせきのこころ)
意味:自分の信念を堅く守り、決して揺らぐことのない心のこと。
一刀両断(いっとうりょうだん)
意味:ためらうことなく、物事をすぐさま決断すること。
後生畏るべし(こうせいおそるべし)→後生可畏(こうせいかい)
意味:自分より若い者は今はまだ未熟だが、大きな可能性を秘めている。将来どんな大物になるかも知れないから、決して侮ってはいけない、むしろ畏敬すべきであるということ。
21巻
天変地異(てんぺんちい)
意味:天地間に起こる自然の災害や、変わった出来事のこと。
22巻
地盤沈下(じばんちんか)
意味:建造物などの土台となる大地が沈み下がる現象。また、勢力基盤の弱体化のたとえ。
日の呼吸で結構、漢字四文字の技が出てくるのですが、これらは二つの熟語を組み合わせた造語で四字熟語ではありません。
これはもはや国語の教科書なのでは?
一覧を見てお気づきの通り、鬼滅にはすべての単行本内に一つ以上四字熟語がでてきます。
また、「自由自在」や「天涯孤独」など複数巻の中で使われているものも。
四字熟語とされていない言葉でも竈門兄妹や反射速度など四つの漢字が使われた言葉がたくさんでできて、これも含めるとすごい量の漢字が鬼滅内で使われています。
耳慣れない四字熟語も自由自在に操られており、吾峠先生が国語教師だったらさぞかしディープな授業が繰り広げられるのではないかと想像してしまいますね。
アニメでは作画の美しさや戦闘シーン、そしてストーリーを。
漫画では漢字や四字熟語などの言葉の深みを。
どちらからでも楽しめる作品はそうそうありません!
まとめ
・鬼滅の刃には四字熟語がたくさん
・吾峠先生の語彙力半端ない
・豊富な漢字や四字熟語に直接触れられるのは、漫画ならではの楽しみ方
■参考
https://yoji.jitenon.jp/
https://dictionary.goo.ne.jp/idiom/
https://kotobank.jp/
関連記事
コメント