呼吸をマスターすることは鬼を倒すためには不可欠といえるものですが、鬼の中にも「月の呼吸」を使用するものが!
ここではその「月の呼吸」の型と技について、一覧化してみました。
月の呼吸とは?
特徴
『鬼滅の刃』では、剣士たちが全集中の呼吸によって技を披露したときに、画面的なエフェクト効果が追加されています。
水の呼吸であれば水の、炎の呼吸であれば炎が燃え上がったり襲い掛かったりするようなエフェクトがかかることがほとんどです。
ですがそれはあくまでも
エフェクト=イメージ
であり、実際に水や炎が出ているわけではありません。
月の呼吸の最も大きな特徴は、太刀筋にエフェクトとしてだけではなく三日月のような斬撃が実際に残ること。
通常の刀による斬撃に加えてこの三日月状の斬撃を複数飛ばすことで相手にダメージを与えることができる特殊な呼吸法となっているのです。
刀
月の呼吸の使い手が使用する刀は自らの血肉から形成されたものであり、技によって巨大化させることも可能。
刀となっているのは体の一部、といった状態です。
鍔や峰には無数の目が浮かび、非常に不気味。
普段は脈打つ鞘に収納されています。
月の呼吸の使い手
ここまで月の呼吸の特徴や刀について紹介しましたが、
「あれ、なんかおかしい、普通の呼吸と違う」
と感じられた方は多いはず。
月の呼吸の使い手は十二鬼月最強、上弦の壱である黒死牟。
三日月状の斬撃がエフェクトではなく実際の効力を持っているのも、おそらくは呼吸と血鬼術が合わさったからではないかと考えられます。
型と技一覧
では、月の呼吸の型と技を見ていきましょう。
壱ノ型 闇月・宵の宮(やみづき・よいのみや)
初出は19巻第165話「愕然と戦慄く」。
霞柱・時透無一郎と対峙し、無一郎が「霞の呼吸・漆ノ型・朧」を披露した際に使用されました。抜刀してそのまま高速で横薙ぎにする技で、太刀筋に大量の三日月状の斬撃を発生させ、その三日月で無一郎の左腕は失われてしまいます。
夜は宵から始まります。闇月はまだ姿を現していない月、黒死牟の能力はこの壱ノ型のみでは到底うかがい知ることができない、ということを思わせます。
弐ノ型 珠華ノ弄月(しゅかのろうげつ)
初出は19巻第169話「地鳴る」。
岩柱・悲鳴嶼行冥に対して初めて繰り出された付きの呼吸です。下から切り上げるようにして三連続で斬撃を放ち、相手を取り囲むように三日月上の斬撃を繰り出します。
「弄月」は月を眺めて楽しむこと。まるで珠や華のように月を愛でる、というような意味でしょう。相手を愛でで抱きしめるかのように取り囲む斬撃の様子を表現しているのではないでしょうか。
参ノ型 厭忌月・銷り(えんきづき・つがり)
初出は19巻第168話「百世不磨」。
傷を負い稀血で黒死牟にダメージを与えたと思った不死川実弥がここぞと銃を使用した際、黒死牟がとどめとばかりにこの技を炸裂させます。横薙ぎの斬撃の連続技です。
厭忌月の「厭忌」は嫌がること・嫌うこと。「銷」は消滅することを指すので、月が(この場合黒死牟が)不快なものは消滅させる、というような意味かと思います。
伍ノ型 月魄災禍(げっぱくさいか)
初出は19巻第167話、「願い」。
風柱、不死川実弥とのせめぎあいの中で披露された、刀を振らずに三日月状の斬撃を繰り出す技。
月魄災禍の「月魄」は月の魂魄、月の精のような存在を指すと思われます。それによってもたらされる禍、といったところでしょうか。
陸ノ型 常世孤月・無間(とこよこげつ・むけん)
初出は19巻第165話「願い」の終盤。
やはり不死川実弥との対決中、黒死牟がかつての風柱との対決を思い出しながら繰り出します。一振りで太刀筋とは関係なく縦横無尽に三日月状の無数の斬撃を放つ技です。
「孤月」はものさびしく見える月のこと。無限は絶え間のないことを意味しているのでしょう。
漆ノ型 厄鏡・月映え(やっきょう・つきばえ)
初出は20巻第172話「弱者の可能性」。
風柱と岩柱に着物を割かれた黒死牟が刀を変化させ放った技です。縦方向に斜めの太刀筋に一閃し、地を這うように前方のあらゆる角度へ三日月所の斬撃を繰り出します。刀が巨大化することによって間合いが広がり、攻撃範囲も倍増。漆ノ型以降はこの巨大化した刀による技です。
「月映え」とは、月に照らされて一層美しく見える様子。「厄鏡」=禍々しい力を持った鏡に照らし出されるように斬撃が動く様子がイメージできますね。
捌ノ型 月龍輪尾(げつりゅうりんび)
初出は20巻第172話「弱者の可能性」。
漆ノ型と続けざまに披露されました。技としては壱ノ型とほぼ同じですが、刀が変化することによって速さが増し、攻撃範囲が広がっています。
「月龍輪尾」はおそらく、西洋で用いられる古代の象徴のひとつ「ウロボロス」を表しているのでしょう。こういった熟語は存在していないので吾峠呼世晴先生による造語だと思われますが、ウロボロスは「輪状になって尾を飲み込む蛇または竜」が図案化されたもので、「死と再生」「不老不死」などの意味を持っています。
玖ノ型 降り月・連面(くだりづき・れんめん)
初出は20巻第172話「弱者の可能性」。
漆ノ型、捌ノ型に続いて三連続での披露です。刀を振りかぶり、振り下ろしてさらに斬り上げることで攻撃相手に向かって無数の複雑な軌道の三日月状の斬撃を繰り出します。
「降り月」は満月を過ぎて欠けていく月のこと。無数に連なる斬撃の様子があらわされています。
拾ノ型 穿面斬・蘿月(せんめんざん・らげつ)
こちらも初出は20巻第172話「弱者の可能性」。
玖ノ型に続いて繰り出され、円を描く太刀筋に無数の三日月状の斬撃が加わった、回転するののこぎりの歯のような攻撃です。
「蘿月」とはつた(つる草)を照らす光やつたから漏れ出る光を意味します。ここでは「穿面斬」と穴をあける・貫くという意味を持つ「穿つ」という言葉が使用されていることから、つたから漏れ出る光すらも漏らさず攻撃する、という意味が込められているのではないかと。
拾肆ノ型 兇変・天満繊月(きょうへん・てんまんせんげつ)
初出は20巻第173話「匪石之心が開く道」。
死期を察した霞柱が何とか黒死牟の間合いに入ろうとし、それを察した風柱と岩柱が呼吸を合わせた瞬間に発せられたのがこの技です。渦巻くような斬撃に加えて、幾重にも折り重なった無数の三日月状の斬撃が放たれます。
「兇変」とは不吉な異変、「繊月」は細い三日月を指します。天を満たすような三日月の斬撃で、死を暗示しているようですね。
拾陸ノ型 月虹・片割れ月(げっこう・かたわれづき)
初出は20巻第173話「匪石之心が開く道」。
漆ノ型、捌ノ型、玖ノ型、拾ノ型と連続して技を繰り出し、風柱がピンチになったところで霞柱がすんでのところで助け舟を出した後のタイミングで間をおかずに披露。振り下ろす一線で上から三日月状の斬撃を地面に向けて猛スピードで放ちます。
「月虹」とは、月の光によって見える光の弱い白い虹のこと。上から落ちてくる三日月状の斬撃のことを表しているとともに、相手の命はもう儚いものである、ということを表しているようにも思えます。
まとめ
・月の呼吸の使い手は上弦の壱、黒死牟
・刀は自らの血肉からできたもので、鬼殺隊士たちの日輪刀とは異なる
・19巻で初めて月の呼吸の技が披露される
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