竈門家に代々伝わる神事、ヒノカミ神楽。炭治郎は水の呼吸とともにこのヒノカミ神楽(日の呼吸)を使って鬼と戦います。
ここではヒノカミ神楽の型や技についてまとめています。
ヒノカミ神楽とは?
ヒノカミ神楽とは、
炭治郎の家に代々伝わる神事でありヒノカミ様に捧げる舞いのこと。その舞型を炭治郎が全集中の呼吸で剣技に使用。
- 十二ある舞い型を日没から夜明けまで延々と繰り返す過酷なもの
- 舞うには正しい呼吸があると炭治郎の父が説明
他の呼吸と同じように息の仕方が大事であることが分かっています。
技名は他の多くの呼吸のように「壱ノ型 〇〇」といった「型番+固有名」ではなく、「ヒノカミ神楽+固有名」という形になっています。
ヒノカミ神楽で斬られた鬼たちの多くは、斬り口がすぐに再生できずにひどい痛みに苦しみます。彼らにとって多大なダメージを受ける技であることが推察されます。
ヒノカミ神楽(日の呼吸)の使い手
- 竈門炭治郎
- 継国縁壱(始まりの呼吸の剣士)
ヒノカミ神楽の型と技を一覧化
順番はとりあえず192話の円環の図に沿って記載しています。(順番については後述)
円舞
読み方は「えんぶ」。5巻40話初出。
円舞は炭治郎が初めて出したヒノカミ神楽の技です。頭上から円を舞うように両断します。
円舞…大勢が輪を作ってするダンスや男女一組で踊るダンス。踊りの中に円の要素が入っているものを表している。
恋愛映画などで男女が肩や腰の手を回しあってゆったり踊る場面など、皆さん見たことがあると思いますが、 特に特別な訓練などなくても出来ます。導入の技としてふさわしい名前ですね。
碧羅の天
読み方は「へきらのてん」。7巻61話初出。
上半身を大きく上空に捻って、前方に火の輪を繰り出す技です。完全な輪の形になっているため他の技とはっきり区別できます。
碧羅の天…晴れ渡った青空。
青空には必ず太陽がありますから、繰り出された日の輪は青空の中心に輝く太陽なのだと言えます。
烈日紅鏡
読み方は「れつじつこうきょう」。9巻77話初出。
左右に一回ずつ斬撃を出す技です。
烈日…激しく照りつける夏の太陽とその光のこと。
紅鏡…紅色の輝く鏡のことで太陽を意味する。
技の名前からも激しい太陽の熱さを感じられますね。
灼骨炎陽
読み方は「しゃこつえんよう」。10巻81話初出。
複数の炎の輪が前進しながら相手を焼いていく技です。
炎陽…夏の照りつける太陽
灼骨…別名ト骨(ぼっこつ)と言われ、弥生時代から行われていた占いの一つ。獣骨などを焼きその割れ目の形で吉兆を判断。
骨まで焼けるような夏の太陽の日差しのように、敵を捕らえて焼ききっていく様子が技名から伺えます。
陽華突
読み方は「ようかとつ」。12巻106話初出。
炎の輪と一緒に繰り出される突き技です。最初にヒノカミ神楽を使ったときの技です。
「陽」はもちろん太陽の漢字の一つですが、改めて意味を調べるとすごくかっこいいです。
陽…「こざとへん」(漢字の左部分)が神様の上り下りするはしごで、漢字右側上部の「日」が光り輝く宝形で右側下部にある「易」はその宝玉を支える台座を表している。
華…花びらが綺麗に咲き乱れている様子を描いた漢字。
陽華突は突きとともに咲き誇る真っ赤な太陽の色をした華のように見えなくもありません。
日暈の龍 頭舞い
読み方は「にちうんのりゅう かぶりまい」。13巻113話初出。
3匹の鬼の首を同時に落とした超広範囲の技で見開き全体を使って技が表現されています。龍の頭を冠した刃が鬼たちを燃やしているように見える壮大な技です。
日暈(にちうん)…幻日のように大気光象の一つ。太陽付近に上空の薄い雲がかかっている場合、光が上空の薄い雲の中にある氷の粒に反射・屈折して起こる。「日暈(ひがさ)」「白虹(はっこう、しろにじ)」
日暈の龍は龍が太陽の力をつかって口から光線を出しているように見えます。
また、頭舞い(かぶりまい)という読み方ではありませんが、中野七頭舞(なかのななずまい)というものがあります。
中野七頭舞(なかのななずまい)…岩手県に伝わる郷土芸能で神楽舞の一つ。七つの道具を持って開拓作業が滞りなく進むこと、五穀豊穣、家内安全、大漁などを祈願する。
nanazumai
踊りを動画で見てみると「ドンシャン」という音や勇ましい踊りはヒノカミ神楽を舞う炭治郎の父を彷彿とさせます。かっこいいです。
美しい現象と勇ましい踊りの名を持つこの技が鬼に絶大な威力を発揮するのはもはや言うまでもありませんね。
斜陽転身
読み方は「しゃようてんしん」。18巻152話初出。
上下の体を上空で反転させながらの下から上に斬り込む技です。
斜陽…西に傾いた太陽。またはその光。
転身…体の向きを変えるという意味。
斜陽と転身を合わせて考えると、西に沈んで地球の周りを半周してまた東へと昇る太陽のように反転して攻撃する技となりますね。
飛輪陽炎
読み方は「ひりんかげろう」。17巻149話初出。
刃の切っ先が陽炎のように揺らぎ、避けたはずの刀身が伸びたように見える技です。
陽炎…陽炎は春夏の風のない日に太陽光に照り付けられた地面から立ち上った気のこと。陽炎がでているとそこはぐにゃぐにゃと揺らめいて見える。
飛輪…太陽の異名
この技は太陽の力によって陽炎を見せる技と言えそうです。
輝輝恩光
読み方は「ききおんこう」。191話初出。
渦巻く炎を纏ったかのような斬撃。
輝輝…照り輝くさま
恩光…《万物を生育する太陽の光、春の光の意から》君主の広大な恵み、君恩https://kotobank.jp/word/%E8%BC%9D%E8%BC%9D-472614
https://kotobank.jp/word/%E6%81%A9%E5%85%89-455758
漢字の意味をみても太陽の塊のような名前です。
火車
読み方は「かしゃ」。17巻147話成功(9巻77話不発)。
車輪のような輪を描きながら敵の背後に回りつつ攻撃する技です。
火車…罪人の亡骸を奪う妖怪のこと。燃え盛る火の車に乗せていく。
wikipedia
経済状況で切迫していることを表す「ひのくるま」という言葉はこの妖怪火車が由来になっています。
鬼狩りは妖怪ではありませんが、火によって罪人(鬼になってしまった人)を燃やすというのは鬼滅にぴったりの名前かと。
幻日虹
読み方は「げんにちこう」9巻77話初出。
幻日虹について、「高速の捻りと回転による躱し特化の舞」という解説が本作中にあります。
幻日(げんじつ)…内暈(自分から見て太陽となす角度が22°の位置に生じる暈)の左右にできる明るく色づいた光点。氷晶による光の屈折でできる。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq13.html
読み方は技名と異なり“げんじつ”ですが、残像が見える技ということからこの現象からインスピレーションしていると思われます。
虹もまた幻日と同じく大気光象(太陽光や月光が屈折や反射をして生ずる現象)という現象に含まれます。太陽光の屈折によって虹もあのような形に見えるわけです。
技名から効果のイメージが湧きやすいように名前の中に入れたのではないかと想像できますね。
炎舞
読み方は「えんぶ」。9巻77話初出。
円舞と異なり二連撃で、まず上下に切りつけ、さらに左右への斬撃を出す技です。
炎舞という言葉は辞書にはなさそうですが、踊りイベント名の一部など活気ある踊りを印象付ける時に使用されています。
十三番目の型
全十二の型を「円舞」と「炎舞」で繋げ、繰り返すことで完成する技。
十三番目の型とはこの円環そのもの。
順番は192話の円環の図をみると、左回りに
円舞→碧羅の天→烈日紅鏡→灼骨炎陽→陽華突→日暈の龍・頭舞い→斜陽転身→飛輪陽炎→輝輝恩光→火車→幻日虹→炎舞→円舞に戻る(繰り返し)
炭治郎の頭の中の独り言だと
円舞→碧羅の天→烈日紅鏡→幻日虹→火車→灼骨炎陽→陽華突→飛輪陽炎→斜陽転身→輝輝恩光→日暈の龍・頭舞い→炎舞→円舞に戻る(繰り返し)
となっています。
ん?どっちだ?
鬼滅あるあると言うか。
産屋敷家の子供たちがいつの間にか同じ場面なのに入れ変わっていたり、刀に写った黒死牟が左右反転になっていなかったりと、たまにおかしい時があるので、どっちか間違いなんでしょうか?
単行本の空きページででも取り上げられるかもしれませんね。
型の派生
円舞一閃
読み方は「えんぶいっせん」。15巻125話初出。
円舞のように静止状態で円を描く技と違い、全集中で地面を蹴って突進しながらの一太刀。作中で、炭治郎が善逸の雷の呼吸の話からヒントを得て技を発動できたことが分かります。
一閃…一瞬ぴかっと光ることや、そのひらめき
技の出し方と一閃の意味を一緒に見てみると、
円舞(=踊り)を両断する一閃の刃を出す技
と言えます。
まとめ
・ヒノカミ神楽の型は全12種類
・太陽や炎にちなんだ技
・十三番目の型は十二の型を繋げて円環を成したもの
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